日本財政破綻時期予想 2015年版

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財務省ギリシャの財政破綻が取り沙汰されている最中ですが、日本の債務残高の対GDP比も233.8%と世界第1位。年々増加し続けています。

日本国債は円建てであるため、その気になれば理論上は円を発行して返済することが出来るため、デフォルトはあり得ないとする意見もあります。

しかし、財政赤字がより深刻化した場合、物価上昇や通貨安、日本国債の金利上昇やそれに伴う国債保有者(金融機関)の損失などは起こりうるため、注意しておく必要があります。(※アルゼンチンの国家破綻の事例は参考になります。)

それでは、現在の日本の財政について詳しく分析していきましょう。

※2016年版はこちら

◆日本財政破綻危機 2015年版分析

債務残高2015

上の図は、日本の債務残高、日本国民の金融資産、債務残高の対GDP比の推移です。

2015年、日本は36.9兆円の国債を発行し、財政を黒字化させることは出来ませんでした。日本は順調に(?)、債務を伸ばし続けてはいますが、国民金融資産が豊富にあるため、それが担保としての役割を担っているのであれば、まだまだ余裕があると見ることも出来るでしょう。

利払費2015

次の図は、債務の利払費、税収、日本国債の金利の推移を示したものです。

債務残高の伸びに従って、当然利払費も増加していくのですが、その伸びは実に緩やかです。

この現象は、日本国債の金利が年々下落してきたことに由来しています。債務残高は増加してきたものの、金利の安い国債に借り換えることが出来たため、利払費の上昇を抑えることが出来ていました。

しかし、金利も限界に近いところまで下落してきており、低金利の国債への借り換え効果によって、利払費が抑えられる時期は脱しつつあると見るべきだと思います。

まだまだ先の話ではありますが、今後、税収で利払費がまかなえないくらい財政赤字が膨らんだ場合、利払費支払いの為に借金をするという自転車操業に陥るわけですから、日本経済へ何らかの影響が及ぶと考えられます。

10年国債利回り2015.6

次に、10年国債利回りの推移を見てみましょう。ギリシャ危機に見られるように、国家財政破綻の危機に瀕した場合、その国の国債について信用がなくなるため。金利が高くなる傾向があります。返済されるかどうかわからない債務ですから、たくさん金利をもらわないと、そのリスクに見合わないと皆が考えるためです。

昭和61年からの10年国債利回りの推移を示しましたが、現在、利回りは史上最低水準にまで低下しています。国債利回りから考察しても、現在のところは、財政破綻の兆候は感じられない状況です。

◆日本財政破綻時期予想 2015年版

現時点では日本に財政破綻の兆候は見られないと思いますが、将来的に日本国民の総金融資産を債務残高が上回ったり、利払費が税収を上回るような事態が発生した場合、円安や金利の大幅な上昇、インフレショーンなどが発生する可能性は存在します。

そこで、債務残高が日本国民の金融資産額を上回った時、あるいは、利払費が税収を上回った場合、何らかの危機が発生すると予測し、その時期を予想してみましょう。

そもそも正確な予想など出来るはずもありませんから、次のように単純に仮定して計算します。

・現在の国民金融資産を将来に渡って維持し、昨年度から今年度にかけての債務残高の増加額と同じだけ債務残高が毎年増加する。
・現在の税収を将来に渡って維持し、昨年度から今年度にかけての利払費の増加額と同じだけ利払費が毎年増加する。

この仮定に従ってシミュレーションした結果は次のようになります。

債務残高予想2015

この仮定によると、2047年に債務残高は国民金融資産を超えてしまいます。

利払費予想2015

また、利払費は、2045年に税収を上回るという結果になりました。どちらの予想もほぼ同時期というのがどことなく不気味ではあります。

もちろん、今後経済を成長させ、国民の金融資産が増加し、税収も増やすことが出来れば、財政危機はもっともっと先延ばしにすることが出来ます。しかし、現状のままではおよそ30年後に、国民の金融資産を超えるような債務を抱え、利息の支払いのために借金をする必要があるのもまた事実です。

あまりにも単純な仮定による試算ではありますが、今後も毎年、財務省や日本銀行の発表を受けて、予想を更新していこうと思います。

参考:
平成27年度予算政府案(財務省)
債務残高の国際比較(対GDP比)(財務省)
国債金利情報(財務省)
資金循環参考図表(日本銀行)

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日本財政破綻時期予想 2015年版」への8件のフィードバック

  1. 白クマさん

    財務省で発表している貸借対照表を見てみよう。純債務は500兆円以下。さらに持っている国有会社その他を引くと本当の債務は200兆円もない。何の心配も無い。だから、日本国債は安定資産としてリスク回避に使われる。

    返信
    1. ef 投稿作成者

      白クマさん

      コメントありがとうございます。
      私も現時点では何も心配していません。

      ただ、債務を積み上げ続けているのは事実であり、10年後は?20年後は?30年後は?と言われると、少し不安です。

      一応、生きている予定ですので。

      返信
  2. サマルカンド

    実質GDPが2%.物価が2%なら名目GDPは4%
    20年でどんなにショボくても税収は倍増だよ

    返信
    1. ef 投稿作成者

      サマルカンドさん

      コメントありがとうございます。
      それでは、2035年には、最低でも税収が100兆円を超えているということですね。

      そうであれば、財政破綻の心配はぐっと少なくなりますね。単純計算で、毎年税収が2~3兆円ずつ増え続けていくということでしょうか。
      確かに、近年は税収が増え続けていますし、今後もこのまま増え続けていくか、毎年財務省発表をウォッチしていこうと思います。

      返信
  3. クロクマ

    私の考えでは国の総資産と国債は別個に考える必要があります。
    20年以内には間違いなく一部はデフォルトしないといけなくなるでしょう。
    ただし、国債金利が0%になれば別です。

    返信
    1. ef 投稿作成者

      クロクマ様

      コメントありがとうございます。
      最近、国債金利が0%どころか、一部マイナスになっているようです。

      不勉強なのですが、マイナス金利下で国債を発行すると、マイナス金利分財政が健全化したりするのでしょうか。
      なんだか不思議な感じがします。

      返信
  4. 匿名

    はじめまして。
    現状維持が続けば約30年後に財政破綻になることがわかり勉強になりました。
    そしてその責任は具体的人物が誰も取らないのでしょうね。
    実際問題、原発事故が起こり現状の詳細が不詳なのは勿論のこと、原発政策を推し進めてきた連中の代替わりが安定的な政権を維持しているということは原発を建てた責任を誰も問わないのなら(無かったことにして再稼働の動きもあるし)岸・池田・佐藤から始まり、小泉&塩川&竹中に至るまで、現政権以外は原発を建てていないので除外。
    同様に30年後の経済破綻した段階でも現政権を非難する人なんて居ないでしょうからね、これからどんな政策を実行しようとも。
    時の流れは何時の時代でも残酷だな。時効成立ばかりです、常に。

    返信
    1. ef 投稿作成者

      匿名さん

      コメントありがとうございます。
      こちらの日本財政破綻予想につきましては、若干古いものになります。2016年予想もございますので、こちらもよろしければぜひご覧ください。
      http://efficient-world.jp/archives/1848
      数値としては若干改善しています。

      危機が表面化するまでは大きな話題にはならない。危機が表面化した途端、兆候はあった、もともと危険だったと言い出す。
      そんなことにならなければ良いのですが。

      返信

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