日本人の投資に対する偏見・誤解

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群衆「朝まで生テレビ!」の放送において、不況で失業に悩む高齢者を「自己責任」としたホリエモンこと堀江氏に対して、インターネット上で批判が集まっています。

事の発端は、経済ジャーナリスト萩原博子氏が例に挙げた、「若い頃は良い給料でガンガン働いていたが、60才を超えて失業してしまった人々」に対して、堀江氏が「良い給料でガンガン働いていた時に、夜の街とかパチンコとかで散財をせずに、投資をして資産形成をしておかない方が悪い」と意見したことです。

堀江氏の発言の是非についてはここでは論じませんが、堀江氏の発言に対する批判意見を見ると、日本人の投資に対する理解の現状が浮き彫りとなり、少し残念な気持ちになってきます。

◆実に日本人らしい?投資のマイナスイメージ

堀江氏への批判意見は次のようなものです。
参考:堀江貴文氏、不況で失業に悩む高齢者を「自己責任」と一喝(痛いニュース)

・投資をすれば必ず儲かることが保証されるわけではない。
・投資は商才がなければ大損する。
・投資は限られたパイの奪い合いである。
・日本人がすべて投資家になったら、働く人がいなくなる。
・投資したところで失敗すれば生活に困窮する。
・投資はギャンブルである。
・投資も散財の一種である。
・投資は一般人が行ってもプロには勝てないため、金を失うだけ。
・投資は多くの資金が必要である。

これらは典型的な投資へのマイナスイメージですが、そのほとんどは誤解です。

 ◆投資への誤解を解きます。

これらの誤解について、一つずつ解いていくことにいたしましょう。

・投資をすれば必ず儲かることが保証されるわけではない。

これについてはその通りです。しかし、今後も世界経済は衰退するよりも成長する可能性が高いと考えるのであれば、投資すべきです。なお、貨幣価値は常に変動しており、投資をしなければ必ず損しないわけではないことにも注意が必要です。

・投資は商才がなければ大損する。

特殊な才能を持たない一般人にとって、最も合理的な投資方法は、インデックスファンド(日経平均などの指数に連動する投資信託)を買うことだと言われています。これは多くの経済学者の研究により、その有効性が確認されています。投資信託を買うのに商才は必要ありません。

・投資は限られたパイの奪い合いである。

投資は経済成長の恩恵を受けるものです。それに伴う株価の上昇の他、企業は企業活動を通じて得られた利益の一部を配当金という形で株主に分配しています。パイを奪い合う投機もあるでしょうが、投資は株主同士でパイの奪い合いをしているわけではありません。

・日本人がすべて投資家になったら、働く人がいなくなる。

当然ですが、老後の資産形成のために投資信託を購入したからと言って、働く必要がなくなるわけではありません。

・投資したところで失敗すれば生活に困窮する。
・投資はギャンブルである。
・投資も散財の一種である。

投資ではなく、ギャンブル的な投機をすればそうなります。

・投資は一般人が行ってもプロには勝てないため、金を失うだけ。

インデックスファンド(日経平均などの指数に連動する投資信託)は、プロのファンドマネージャーが運用するファンドのパフォーマンスを上回るという研究データがあります。私たちは、インデックスファンドを買うだけで、プロ以上、少なくともプロに近い成績を上げることが出来ます。

・投資は多くの資金が必要である。

だいたい1万円あれば始められます。最近では、1,000円から始められる証券会社もあるようです。

◆投資に対する偏見・誤解がなくなれば良いなあ。

日本では普通に生活している限り、投資についての教育を受ける機会がありません。そのため、今回のネット上の批判などを見ると、投資に対する根拠のない偏見・誤解がまだまだ根強いと感じます。

トマ・ピケティの21世紀の資本が売れているそうですが、資本収益率(r)>経済成長率(g)という関係を利用するためにも、バートンマルキールのウォール街のランダムウォーカー、チャールズエリスの敗者のゲームがみんなに読まれる日が来ればいいなと思っています。






日本人の投資に対する偏見・誤解」への3件のフィードバック

  1. しらいゆうき

    >良い給料でガンガン働いていた時に、夜の街とかパチンコとかで散財をせずに、投資をして資産形成をしておかない方が悪い

    ホリエモンがこれ言うか?という感じですね(*^_^*)

    ホリエモン自体は投資家ではなく事業家。
    コツコツ投資など自分もやってないでしょう。

    私は「投資はやった方がいいけど人には勧められない」という立場です。

    >最も合理的な投資方法は、インデックスファンドを買うこと

    これこそ、偏見・誤解ではないですかね?

    投信でも特にインデックスファンドは、リターンが少ない割にリスクが大きいと思います。
    それに投信の選択には豊富な知識が必要ですので、初心者向きとも
    素人むきでもないです。

    現実に株やFXのトレーダーよりインデックス投資している人のほうが
    一般的に投資の知識があると思いませんか?

    特に積立した場合、時間とともにリスクが増大するので
    私は確定拠出年金でしかしてません。

    返信
    1. ef 投稿作成者

      しらいさま

      コメントありがとうございます。

      >特殊な才能を持たない一般人にとって、最も合理的な投資方法は、インデックスファンド(日経平均などの指数に連動する投資信託)を買うこと

      これにつきましては、必ずしも正解ではないかもしれませんが、効率的市場仮説を根拠とし、経済学者を中心にプロのファンドマネージャーが運用するアクティブファンドのパフォーマンスも研究したうえで唱えられておりますので、「一意見」程度にはみなして頂けると幸いです。

      投資信託の中でも、インデックスファンドはアクティブファンドと比べて特にリスクが大きく、リターンが少ないというのは?です。興味がありますので、ご教示いただけると嬉しいです。

      数多あるアクティブファンドの中から本当に儲かるファンドを選ぶとなると、確かに至難の業ですが、インデックスファンドを選ぶだけでしたら、個別株の売買の知識(ファンダメンタル・テクニカル)を学ぶよりは簡単なのではないかと個人的には思っています。

      返信
  2. しらいゆうき

    >インディックスファンドはアクティブファンドと比べて特にリスクが大きく、リターンが少ない

    ちょっと書き方に難があったようです。

    >「投信でも特にインデックスファンドは、リターンが少ない割にリスクが大きい」

    というのは、アクティブファンドと比べた話ではなく

    一般的にはインディックス投信はリスクが小さい割にそれなりのリターンが狙えると
    思われていますが、実際はリターンが少ない割にリスクが大きいのではないか
    という見解です。

    私自身は主戦場がFX、くりっく株、といったレバを掛けた取引ですが
    FXやくりっく株よりもインディックス投信の積み立てのほうが
    リスクが大きいと感じています。

    一般論として、アクティブファンドは選択が難しい上に
    信託報酬の足かせがあるために、私も選択することはありません。

    一方で、アクティブファンドを使いながら、それなりのリターンを
    出している方もいますので、否定すべきものではないように思いますね。

    要は投資はツールですから、どのようなツールを使おうと結果が出せればいいと思います。

    >インデックスファンドを選ぶだけでしたら、個別株の売買の知識(ファンダメンタル・テクニカル)を学ぶよりは簡単

    ここが、見解のもっとも違うところかと思いますね。

    個別株の売買は、成功・失敗を繰り返しながら、徐々にスキルを上げることが可能ですが、
    インディックスの選択は、いきなり高度な知識が必要とされますし、一旦選んでしまうと
    変更も難しいのでなかなかハードルが高いと思います。

    実際、インディックス投信でも投資先まで踏み込んで、その投資先が妥当かどうかなどを
    判断するならば、個別株のほうが遥かにやさしくないですか?

    返信

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